諏訪よいてこの歴史

よいてこの歴史

 並木まつりから発展

写真:昭和55年諏訪ふるさと祭りとしてスタート

 「諏訪よいてこ」の前身は、諏訪市大手並木周辺住民で行なわれてきた夏祭りに、昭和50年、諏訪青年会議所が市民とのふれあいの場として「並木まつり」を実施したことがきっかけです。昭和52年より、昼の部は並木通りで、夜の部は「火祭り」として発展。各種団体が順次参加し、諏訪市の夏祭りとしての輪を広げてきました。

諏訪の魅力を楽しむ祭りへ 

 「並木まつり」が5回で終了すると聞いて昭和55年の御柱年に、「諏訪ふるさとまつり」の名称で、諏訪市商業連合会が「長持ちコンクール」を実施しました。当時は、百棹の長持ちが参加し大いに賑わいました。
 昭和59年、旅行会社が「杜の賑い」の冠をつけて、全国各地から観光客を招き、昼間は諏訪の郷土芸能を、夜は花火見物と諏訪の魅力を楽しむ祭りへ姿を変えました。(夜の花火は現在「諏訪湖新作花火競技大会」となっています。)

写真:長持ちコンクール
写真:昭和61年懐かしい「お蔵船」

 観光客も訪れ、年々盛大となる夏祭りを「市民まつりとして育てていきたい」と、昭和60年に祭りの名称(愛称)を公募しました。358点の応募の中から本郷末実さんの「諏訪よいてこ」が選ばれ、現在までこの愛称で祭りを実施しています。
 「よいてこ」とは、御柱祭において御柱を曳行する時に、木遣りに合わせて氏子が力を合わせて曳く際のかけ声「あら、よいてこしょ」が由来で、心を一つにして祭りを盛り上げ、市民が一丸となって諏訪の発展を支える意味が含まれています。また、諏訪はよいとこ(良い所)の意味もかけられています。

音頭「諏訪よいてこ」の誕生

写真:平成12年踊りコンテストがスタート。初代よいてこ大賞には諏訪湖ライオンズクラブ・ライオネスクラブが選ばれた。

 昭和60年、多くの市民が参加し楽しめるようにと「音頭」がつくられました。歌詞を公募し、31点の中から唐沢邦夫さんの歌詞が選ばれました。当時、姉妹都市である伊東市に在住だった関野幾生さん(城ケ崎ブルース作曲者)に作曲を依頼。翌昭和62年に市民に披露されました。音頭「諏訪よいてこ」の誕生に合わせ、市民が気楽に踊れるようにと、瑞穂扇梢さん(藤間流)が振付をし、現在のよいてこ踊りができました。
 踊り連が年々増えていく中で、平成2年より諏訪市(行政)もこの組織に参画。諏訪市長が実行委員会会長になり、市民総参加の祭りとして年々盛大に行なわれるようになりました。
 第21回(平成12年)には”市民祭り元年”としての位置づけがされ、より市民に親しまれる祭りとするため、21世紀に相応しいアップテンポな曲「よいテクノバーション」を加え、踊りに新風を吹き込みました。

 「お諏訪節」の復活

 「お諏訪節」は、戦後間もなく荒みがちな人々の心に、明るさやなごやかさ、そして郷土愛を蘇らせてくれた唄で、諏訪地域の人々に様々な記憶とともに馴染みの深い民謡です。諏訪よいてこ検討委員会で復活が提案され、若い世代に継承すべき『諏訪の踊り』として多くの方々のご尽力をいただき、第31回諏訪よいてこで復活することとなりました。

花柳徳弥先生の振付(昭和26年)を忠実に再現

 「お諏訪節」の歌碑は、湖柳町で開業医をされていた北原義張先生の作です。北原先生はふるさとの文化と自然をこよなく愛し、和歌や俳句などの文芸にも造詣が深く、昭和24年当時、戦後の殺伐とした世の中で「諏訪の人々や故郷を離れて暮らす人たちの心の糧になれば」と医療の傍らで作詞しました。
 その心意気に共感し作曲を担当したのが、日本を代表する名作曲家の中山晋平先生でした。
 そして踊りは、花柳流菫玲会(きんれいかい)師匠の花柳徳弥先生が振付し、昭和26年8月には並木通りで盛大な発表会が行われ、翌年日本ビクターからレコードが全国発売されました。その後、盆踊りや運動会、宴会など折にふれて、たくさんの人々に愛唱され、踊られてきました。

復活に向けて

 平成22年(第31回)、諏訪よいてこ実行委員会では「お諏訪節」の復活に向けて踊りを普及していく上で、花柳徳弥先生の振付(昭和26年)を忠実に再現し、教本ビデオの制作や踊りテキストを作成。また、踊り指導員による指導も実施しました。60年の時を越えて、優雅でしなやかなお諏訪節が並木通りに蘇りました。

よいてこ音頭誕生25周年

 平成24年(第33回)は、音頭「諏訪よいてこ」が市民の皆さんに披露されて四半世紀。誕生25周年を記念して、作曲家の関野幾生先生、唄い手として活躍してきた森水女さん、宮坂寿子さんに感謝状を贈りました。また、踊りコンテストでは「諏訪よいてこ音頭誕生25周年特別賞」を設けました。同特別賞は、祭り開催地区から長年にわたり出場している並木連、西大手連が受賞しました。

よいてこ音頭誕生30周年

 平成29年(第38回)は、音頭「諏訪よいてこ」が市民の皆さんに披露されて30周年を記念して、踊りコンテストへ「諏訪よいてこ音頭誕生30周年記念賞」を設けました。

よいてこ40周年

 令和元年(第40回)は、諏訪よいてこ40周年を記念して、40周年特別賞を設けました。特別企画として第31回から第40回まで10年間連続して参加され、祭りを盛り上げていただいた踊り連の皆様16団体へ、感謝状と金一封を贈呈しました。